日本税理士会連合会がカスタマーハラスメント対応方針を公表:電話対応で求められること

日本税理士会連合会は、職員などをカスタマーハラスメントから守るための対応方針を公表しました。暴言や脅迫、執拗な電話、長時間の拘束などがあった場合、通話の終了や対応中止、弁護士・警察への相談などを行う場合があります。
1枚でわかる
通常の問い合わせとカスハラの違い
要求内容や伝え方が許容範囲を超えるかがポイント
通常の問い合わせ
制度や対応について、冷静に確認する
カスタマーハラスメント
暴言・脅迫・執拗な電話などで相手を拘束する
認められた場合
通話終了や対応中止、弁護士・警察への相談も
まず一言でいうと
日本税理士会連合会が、職員などを守るため、暴言や脅迫、執拗な電話などのカスタマーハラスメントには組織として対応し、必要に応じて問い合わせ対応を中止する方針を示しました。
何があった?
日本税理士会連合会は2026年8月28日、職員、嘱託職員、派遣職員などを、税理士会員、納税者、取引業者などからの不当な言動から守るため、「カスタマーハラスメント対応指針」に基づいて対応すると公表しました。
基本方針として、次の3点を掲げています。
- カスタマーハラスメントを容認しない
- 職員などの尊厳と安全を最優先にする
- 組織として対応し、職員個人に責任を負わせない
同連合会が示したカスタマーハラスメントは、要求の内容、または要求を実現するための手段や態様が、社会通念上の許容範囲を超える不当な言動です。具体例として、次のような行為を挙げています。
- 日本税理士会連合会に権限がない、または対応が著しく困難な事項についての不当な要求
- 暴言、侮辱、人格を否定する発言、差別的な発言
- 脅迫や威圧的な言動
- 同じ言動の繰り返し、複数回の執拗な電話や訪問、不退去などによる長時間の拘束
- 過度または不合理な要求
- 身体的な攻撃、または攻撃のおそれがある行為
- SNSやインターネットを使った誹謗中傷、職員などの個人情報の公開
カスタマーハラスメントと認められた場合は、対応を中止することがあります。また、行為の記録を共有し、必要に応じて顧問弁護士や警察への相談、所属税理士会への通知などの措置を取るとしています。
電話による問い合わせについても、冷静な対話を求めています。威圧的な言動、大声、暴言、性的な言動、特定の職員への個人攻撃、同じ内容の執拗な繰り返し、長時間の拘束などがあった場合、担当者の判断で通話を終了したり、その後の対応を断ったりする場合があります。
さらに、問い合わせ内容を正確に把握し、応対品質を向上させるため、通話を録音する場合があると案内しています。
そもそもカスタマーハラスメントとは?
カスタマーハラスメントは、顧客や利用者などが、相手に対して行う不当な言動のことです。一般に「カスハラ」と略されることもあります。
単に苦情や問い合わせをすること自体が、カスタマーハラスメントになるわけではありません。問題になるのは、要求の内容や、要求を伝える方法が、社会通念上の許容範囲を超えている場合です。
たとえば、制度や対応について説明を求めることは通常の問い合わせです。一方で、大声や脅迫によって無理な要求を通そうとしたり、同じ内容で何度も連絡して担当者を長時間拘束したりする行為は、今回示された例に含まれます。
なぜ重要?
今回の方針は、主に日本税理士会連合会の職員などと、そこへ問い合わせをする税理士会員、納税者、取引業者などに関係します。
問い合わせをする側にとっては、希望する回答や対応が得られない場合でも、相手を威圧したり、個人を攻撃したりせず、冷静に確認することが重要です。対応が難しい言動があると、通話を終了されたり、以後の対応を断られたりする可能性があります。
日本税理士会連合会にとっては、職員などの安全や尊厳を守りながら、問い合わせや相談に対応するための基準を明確にする意味があります。カスタマーハラスメントが認められた場合には、組織内で記録を共有し、必要に応じて弁護士や警察などにも相談するとしています。
なお、今回の公表資料は、日本税理士会連合会における対応方針を示したものです。すべての苦情や要望がカスタマーハラスメントに当たると説明しているものではなく、要求内容や言動が社会通念上の許容範囲を超えるかどうかがポイントになります。
会計・税務の学習ポイント
会計や税務の実務では、計算や申告だけでなく、顧客、納税者、取引先、行政機関などとの正確で適切なコミュニケーションも重要です。問い合わせをするときは、事実関係や確認したい点を整理し、相手を尊重して伝えることで、問題の解決につながりやすくなります。
また、今回の通話録音や対応記録の共有からは、業務上のやり取りを記録し、後から内容を確認できるようにする「記録管理」の重要性も学べます。会計・税務の仕事では、取引の証拠や手続きの経緯を残すことが基本であり、問い合わせ対応でも同じように、事実を正確に把握して組織として対応することが求められます。
この記事で覚えておきたいこと
- カスタマーハラスメントとは、要求の内容や手段が社会通念上の許容範囲を超える不当な言動です。問い合わせや苦情を伝えるときも、相手を尊重し、冷静に要点を伝えることが大切です。
学習ポイント:カスタマーハラスメントとは、要求の内容や手段が社会通念上の許容範囲を超える不当な言動です。問い合わせや苦情を伝えるときも、相手を尊重し、冷静に要点を伝えることが大切です。

カイくんのひとこと
カスタマーハラスメントとは、要求の内容や手段が社会通念上の許容範囲を超える不当な言動です。問い合わせや苦情を伝えるときも、相手を尊重し、冷静に要点を伝えることが大切です。


