証券口座が勝手に売買される?フィッシング詐欺から資産を守る5つの対策
金融庁は、偽の証券会社サイトなどで盗まれたID・パスワードを使い、第三者が証券口座に不正ログイン・不正取引を行う被害について注意を呼びかけています。メールのリンクを開かず、多要素認証や口座確認を徹底することが重要です。
1枚でわかる
証券口座を守る5つの対策
偽サイトに情報を渡さず、不正取引を早期発見
1. リンクを開かない
メールやSMSのリンクからアクセスしない
2. ブックマークを使う
正しいURLを登録し、公式サイトを開く
3. 多要素認証を設定
確認コードやパスキーで本人確認を強化
4. パスワードを守る
使い回さず、長く推測されにくくする
5. 口座をこまめに確認
不審な取引は証券会社へ連絡する
まず一言でいうと
金融庁は、偽の証券会社サイトなどを通じて盗まれたログインIDやパスワードにより、証券口座が第三者に勝手に操作される被害への注意を呼びかけています。証券会社のサイトにはメールやSMSのリンクから入らず、正しいURLを登録したブックマークからアクセスすることが大切です。
何があった?
金融庁は令和7年4月3日に、証券会社などのインターネット取引サービスにおける不正アクセス・不正取引について注意喚起を公表しました。資料は令和8年8月10日に更新されています。
問題となっているのは、実在する証券会社のウェブサイトに似せた「フィッシングサイト」などで、利用者のログインIDやパスワードが盗まれるケースです。盗まれた情報を使われると、第三者が本人の証券口座にログインし、本人に無断で取引を行うおそれがあります。
金融庁によると、不正取引では、第三者が被害口座内の株式などを勝手に売却し、その売却代金で国内外の小型株などを買い付ける例が多いとされています。この場合、口座には不正に買い付けられた株式などが残ります。
なお、金融庁が公表する「売却金額」や「買付金額」は、不正取引で行われた売買の合計額です。同じ口座で売買が繰り返されれば金額は累積するため、この金額がそのまま利用者の損失額を表すわけではありません。
金融庁は、被害を防ぐため、次の対応を呼びかけています。
- 見覚えのある送信者からのメールやSMSであっても、本文中のリンクを開かない
- 証券会社のサイトは、あらかじめ登録した正しいURLのブックマークから開く
- ログイン時、取引時、出金時などの多要素認証や通知サービスを有効にする
- パスワードを使う場合は使い回さず、長く推測されにくいものにする
- 口座の状況をこまめに確認し、不審な点があれば証券会社へ連絡してパスワードなどを変更する
また、フィッシング詐欺だけでなく、ウイルスなどのマルウェアによる情報窃取にも注意が必要です。PCやスマートフォンのOS・ソフトウェアを最新の状態に保ち、対策ソフトも更新することが有効とされています。
そもそもフィッシング詐欺と多要素認証とは?
フィッシング詐欺とは、本物の企業やサービスを装ったメール、SMS、ウェブサイトなどを使い、ID、パスワード、口座情報などをだまし取る行為です。
例えば、証券会社からの連絡に見せかけて「本人確認が必要です」「不審なログインがありました」などと案内し、偽サイトへ誘導する手口があります。偽サイトは本物に似たデザインや名称を使うことがあるため、画面だけで本物かどうかを判断するのは危険です。
多要素認証とは、本人確認を1つの情報だけでなく、複数の要素で行う仕組みです。たとえば、パスワードに加えて、スマートフォンに届く確認コード、専用アプリ、パスキーなどを使う方法があります。
パスキー認証など、フィッシングに耐性がある多要素認証の導入も証券会社で進められています。利用している証券会社で提供が始まった場合は、速やかに設定することが金融庁から勧められています。
なぜ重要?
この注意喚起は、インターネット経由で株式や投資信託などを取引しているすべての人に関係します。ログインIDやパスワードが漏れると、自分で取引した覚えがなくても、保有している金融資産が売買されるおそれがあります。
個人投資家だけでなく、会社の資金運用などで証券口座を利用している企業にとっても重要です。口座を担当者任せにせず、ログイン・取引・出金に関する通知設定や認証設定を確認しておく必要があります。
身に覚えのないログインや取引を見つけた場合は、まず利用中の証券会社のお問い合わせ窓口へ確認しましょう。不審なウェブサイトに情報を入力した可能性がある場合も、速やかにパスワードなどを変更することが必要です。
金融庁金融サービス利用者相談室では、平日10時から17時まで相談を受け付けています。電話番号は0570-016811で、IP電話からは03-5251-6811です。
会計・税務の学習ポイント
会計や税務を学ぶときは、帳簿や申告書の作り方だけでなく、会社や個人の資産を安全に管理する視点も重要です。証券口座の残高や取引履歴は、投資の状況を把握するための基礎資料であり、不審な取引がないか定期的に確認する習慣が役立ちます。
特に、売買金額の合計と実際の損失額は同じとは限りません。不正取引では、保有株式を売却した後に別の株式が買い付けられる場合があるため、口座で行われた売買総額だけでは最終的な影響を判断できないからです。資産状況を確認するときは、取引履歴だけでなく、現在保有している金融商品や評価額もあわせて確認しましょう。
実務では、ID・パスワードの管理、多要素認証の設定、取引通知の確認といった内部管理が、資産を守る基本になります。会計・財務の担当者は、数字を記録・集計するだけでなく、その数字のもとになる資産や取引を安全に管理することも意識するとよいでしょう。
この記事で覚えておきたいこと
- 証券口座の安全管理は、保有資産を守るための重要な財務管理の一部です。パスワードの使い回しを避け、多要素認証と取引通知を有効にする基本を押さえましょう。
学習ポイント:証券口座の安全管理は、保有資産を守るための重要な財務管理の一部です。パスワードの使い回しを避け、多要素認証と取引通知を有効にする基本を押さえましょう。

カイくんのひとこと
証券口座の安全管理は、保有資産を守るための重要な財務管理の一部です。パスワードの使い回しを避け、多要素認証と取引通知を有効にする基本を押さえましょう。